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コインチェック騒動でSBI北尾社長がキレた理由?


 

2018年1月26日にハッカーによるサイバー攻撃を受けて、コインチェックが総額600億円前後の損失を出した事件について、SBIHDの社長、北尾社長が強い口調で糾弾しています。

まったくナンセンス」「こういう輩はカス中のカスだ」と言い切るなど非常に興奮した様子。

もともと、強い口調で物事を切り込んでいくタイプの北尾社長がここまで言うことは異例ではありませんが、それでも怒り心頭でした。

いったいどういう背景があったのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

 

目次

仮想通貨とSBIHD

北尾社長がコインチェックを強く糾弾したのは1月30日、SBIHDの2017年度第3四半期(4~12月期)決算説明会でした。

このときの出席者はいつもの倍近く。

これは、もともとSBIHDが仮想通貨に対して、かなり行動を起こしていたことに起因しています。

2018年3月期第3四半期 SBIホールディングス(株)決算説明会
決算説明会の様子(YouTube)⇒ https://youtu.be/xdncNU0-Aoo

 

2017年9月にはSBIHDは仮想通貨交換業の登録を済ませていました。

このとき北尾社長は「世界一安全で、世界最大の取引所を作る」と意気込みを見せています。

 

その後、中国の仮想通貨取引所と提携したり、

イギリスの仮想通貨のセキュリティサービスを提供している会社との関係を強めたりと非常に積極的な動きをしていました。

一方でモバイルファイナンスなどの、日本企業が非常に弱いフィンテックの分野でも

いち早く事業化を進めるなど、この分野には強い期待をしていた北尾社長。

こうした動きに竿を指すようなコインチェック事件は、まさに北尾社長の努力を水泡に帰すような事件です。

 

何せ、世の中の論調はコインチェック自体を問題視するよりも先に、

「仮想通貨そのもの」に対して不信や詐欺といった印象を強めるような論調が出来上がってしまったのですから。。。

 

そもそもコインチェック事件とは何だったのか

そもそもコインチェックは何をしてしまったのでしょうか。

ハッカーからの攻撃を受けて、約600億円もの損害を出してしまったコインチェック。

議論の中心となっているのは、コインチェックは仮想通貨を保管するときに、ホットウォレットで保管し、

しかも仮想通貨の作成元が推奨しているマルチシグの利用を怠っていたのではないかということです。

 

これはどういうことか簡単に説明すると、ある銀行がお客様の銀行預金について、金庫で保管していると説明していました。

しかし、この金庫がそもそも存在せず、取引しやすいように運搬用のトラックに保管していました(≒ホットウォレットに入れていた)。

しかも、そのトラックの積み荷を開ける鍵は南京錠で、電子キーではなかったのです(≒マルチシグを使っていなかった)。

つまり、コインチェックは顧客から預かったお金を一般的に十分といわれるようなセキュリティ対策を一切行っていなかったということが出来るでしょう。

 

仮想通貨のことがよくわからない人にとっては、「仮想通貨っていうのは非常に危険なんだ」「仮想通貨というものには致命的な欠点があるんだ」と考えてしまうかもしれませんが、コインチェックの問題は基本的に仮想通貨の問題ではありません。

あくまで仮想通貨を保管している人たちの意識の問題だったのです。

要は、コインチェックは自分たちの利益のために、顧客のお金の管理体制を整えることを後回しにしてしまったといえます。

北尾社長は「最も腹が立つのは、システムにお金をかけるべきところを、CMにばかりお金をかけていたこと。」と糾弾していますが、まさにおっしゃる通り!といわざるを得ないでしょう。

 

コインチェックは顧客に対してお金を返すといっているが・・・?

コインチェックは今回の騒動に対して、損をした人たち全てに返金するといっています。

返金総額はだいたい4百数十億。

この金額がもし本当に払えるとしたら、ものすごい儲かっているといえますが、

この利益を使ってどうしてセキュリティ対策に注力しなかったのかと誰もが思うでしょう。

実際のところ、北尾社長も「私には彼らが4百数十億円も返せるとは思えない。そんなにボロ儲けしていたのか。そうであれば、ちゃんと税金は納めていたのか。今どき現金でそれだけの額を払える会社は少ない。」と言っていますが、これもその通りと言えます。

2018年2月2日には金融庁の立ち入り検査が実施されています。

しかも、この騒動のさなかに、コインチェックは1363億円の不可解な送金が行われているという報道も出てきました。

コインチェックの闇はまだまだ深そうといえるでしょう。。。

 

仮想通貨の信頼性と将来性

600億円、1300億円と、とにかく金額の多さに目が奪われてしまいがちな今回の事件ですが、

仮想通貨に何かしらの問題があったわけではありません。

現金と一緒で、現金自体に何か問題があったわけではなく、それを管理している銀行に問題があったのです。

それにもかかわらず現金が、すなわち仮想通貨が問題視されてしまう現状は、仮想通貨の将来性に期待している人であれば、北尾社長でなくとも一言いいたくなるのではないでしょうか。

コインチェックの事件で、仮想通貨にお金儲けで参加しようとする人は減るかもしれません。

しかし、仮想通貨の未来までも奪われたわけではないはず。

2018年は、このコインチェックの事件を乗り越えてどのような発展を見せるのか?

引き続き今後に期待しましょう。

 

それでは本日も記事を読んでいただきありがとうございました!

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