2017年末の仮想通貨の新規参入組(俗に言う出川組)は、
2018年に入ってからとても痛い思いをしてしまっているかと思います。
「もう仮想通貨なんて嫌だ!」と思っている人も多いでしょう。
現在僅か1ヶ月ほどでピーク時の半分以下にまで仮想通貨全体の価値が下がってしまったので当然でしょう。。
しかしそれは考え方次第で、今がチャンスと考えることも出来ます。
このようにポジティブに考えるためには仮想通貨の値動きに対しての背景、理由を知るという事が必要となります。
という事で、今回は毎度仮想通貨市場を大きく揺るがす要因となる中国の仮想通貨規制についてお伝えしてゆきます。
目次
仮想通貨の高騰と暴落はなぜ起きた?
仮想通貨バブルともいわれた2017年の中頃、仮想通貨は軒並み高騰してビットコイン長者と言われる人たちが非常に多く生まれました。
そしてビットコイン長者たちが最も多く産まれたのが中国です。
仮想通貨取引の約9割を中国が占めていたともいわれています。
中国は元々日本人の人口と同じだけのお金持ちがいると言われており、その人たちが一斉に投資を始めた事もあって2017年は1年間で200~400倍になった銘柄もあります。
しかし2017年9月からその中国で仮想通貨の取引に規制をかけてゆく事が強まり、
中国国内取引が全面禁止になった事で大量の中国マネーが仮想通貨市場から消え、大暴落を起こしました。
とは言え、その後仮想通貨市場は盛り返し12月には軒並み数倍になるという大高騰をし2017年最後に多くの億り人を生み出しました。
しかし、現在は記憶に新しいコインチェック騒動やテザー問題などで再度大きく暴落をし、各通貨12月以前の水準まで価格を落としています。
そもそもなぜ中国は仮想通貨取引へ規制をかけるのか
中国が仮想通貨に規制をかけたのにはいくつか原因がありますが、次の3つが主なものです。
- マイニングによる電力消費問題
- 詐欺の被害が続発したため
- 通貨のコントロールができなくなるため(人民元が出ていく事による中国経済影響)
マイニングによる電力消費問題
仮想通貨も法定通貨と同様に新規発行されないと全体の総量は少しずつ減少していきます。
その新規発行の手段として使われているのが「マイニング」です。
仮想通貨はその取引をネット上で行いどこからどこへいくら送金されたか、それは正しく行われたのかを記録し続けています。
それが正確かつ透明性があるのが信頼につながっています。しかしそれには膨大な量のデータを処理し続けないといけません。
とても1つの組織では賄いきれないものなので、いろいろな人が有志でその処理に使うコンピューターを提供しています。
そしてちゃんと正確に処理ができた時に報酬としてビットコインが、そのコンピューターの持ち主に支払われるのです。
これが「マイニング」です。
しかしその処理には電力を大量に消費します。
世界的にも中国は電気代が安いため、コンピューターを大量に使いビットコインを手に入れていく人が次々現れました。
電力消費が急激に増えたため規制の原因になったとされています。
詐欺の被害が続発したため
仮想通貨が注目を浴びるようになると独自の仮想通貨を作ったり資金調達のためにICO(Initial Coin Offering)というものが普及しました。
ビットコインやネム、リップルなど最初数円くらいの価値しかなかった仮想通貨が数百~数百万倍にもなった過去を謳い文句として「今後価格が上がるから投資をしてくれ」という様に、将来性がどれほど高いのかも分からない仮想通貨に投資する人からお金をだまし取る詐欺被害が続発したので規制をかけたのです。
仮想通貨は難しい話が多く、よくわからずに投資した人が痛い目にあっているという事があり、これは日本でも例外ではないので注意しましょう。
絶対に上がると100%保証されている通貨などありません。
甘い話に乗り全額投資をするなどもっての外ですのでやめましょう。
通貨のコントロールが効かなくなるため
おそらくこれが一番大きな原因だったと推測されます。
中国は社会主義の国ですのであらゆるものの所有権は国にあります。
しかし仮想通貨は非中央集権型の通貨なので国の管理の外にあるのです。
政府からすれば管轄外のところに人民元が大量に流れ、しかもそれでお金持ちが増えて権力者が増えるとそれは既得権益を持っている人達からすれば面白くないのです。
また、人民元が仮想通貨に流れてゆくことで、仮想通貨が国の経済を脅かす存在だと恐れ規制をかけているという背景もあります。
本格的に中国が仮想通貨を全面規制!?
2月に入り下落相場の中、ニューヨーク株価、日経平均株価が下落しており、それに連動するかのように仮想通貨も下落しているという事に加え、更に拍車をかけるように中国は本格的に仮想通貨を禁止する動きを見せていることで現在市場は大暴落しています。
中国、国内外の仮想通貨取引とICOに対して規制措置
中国では昨年9月に国内の仮想通貨取引所やICOに対し大きな規制をかけました。
これにより仮想通貨市場に多大な影響を与え大暴落を引き起こしました。
しかしこの時は国内業者への規制だったため、中国の投資家は規制後も国外で運営される取引所等のプラットフォームを通して仮想通貨の取引やICOに参加をしており、中国内でそれはグレーゾーンな部分が多い仮想通貨への取り組み方でした。
そこで今回中国では大がかりな規制を発表し、仮想通貨全面禁止の方向へ動き出したのです。
暴落の要因は様々重なっていますが、直近5日からの大きな下落要因はこれだと考えられます。
①国外の仮想通貨取引所とICOサイトへのアクセスの禁止
遂に国外の仮想通貨業者やICOに対しても中国国民は利用しないようにアクセスを禁止するようにすると発表されました。
②仮想通貨関連の広告が消える
先日日本でもFacebookでの仮想通貨関連の広告が一切禁止となり話題になりましたが、
中国では他主要となっている検索エンジンやSNSなどで軒並み仮想通貨やICO関連の広告が消えました。
③上記の発表から中国国内の仮想通貨業者が中国からの撤退
中国国内では仮想通貨事業を行う環境としてはあまりにも窮屈すぎる事と、
今後寛大に受け入れてくれる様子もないことから各仮想通貨取引所やマイニング会社の中国からの撤退発表が続いています。
これらの要因から仮想通貨は現在大暴落を引き起こしていると考えられるのです。
まとめ(仮想通貨の今後は?)
2018年2月時点で仮想通貨で利益を得た人達は周辺諸国で取引を行っています。
何百倍のバブルにはならないにしても、2~5倍になるとしている専門家もいます。
一時の仮想通貨の高騰の時ほど価値が戻るかは定かでありませんが、
それでもやはり仮想通貨の将来性は非常に高いと感じます。
幸い日本は仮想通貨に対して否定的ではなく受け入れる方向で法整備は進んでいますので、
考え方によっては仮想通貨は日本が世界一をとれる可能性のある市場なのです。
仮想通貨はまだまだ発展途上の段階ですので様々な不都合が生じ今回の中国の様に規制がかかることで大きく値を落とす事が頻繁にありますが、それは仮想通貨の技術や可能性に問題があるのではなく、それ以外の都合からくる規制ですので常にルールブックを整えているような状態が現在の仮想通貨の世界だといえるでしょう。
今月は立て続けに悪い要因が続き価格を大きく下げていますが、これで
「儲かるから」と12月に飛びついた仮想通貨初心者の多くは離れてゆく事でしょう。
今後は仮想通貨の事を勉強し理解している人が市場に入ってくるようになり少しずつ価格を戻してゆくのではないかと考えます。
このように考えるならば、今の低迷している間こそ投資しておくのもアリなのかもしれませんね。
「悲鳴で買って歓喜で売る」という投資の格言があります。
これをよく考えて取り組んでゆきましょう。
それでは本日も記事を読んでいただきありがとうございました!
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