仮想通貨に対してかなり否定的な対応をしている中国ですが、
さらなる規制を計画しているという声が聞こえてきています。
いったいどのような規制を考えているのか?また、その真意はどこにあるのか?
本記事と共に考えてゆきましょう。
目次
今までの仮想通貨規制について
中国は今までも、仮想通貨に対しては完全に否定的な態度をとってきたと言えます。
たとえば、2017年9月にはICOの否定そして取引所の規制を行いました。
このときは中国のオンラインとオフラインの取引がすべて否定されてしまい、仮想通貨全体の価格が大きく値下がりした時期でもあります。
特にオフライン取引の否定は非常に大きく、オンライン上の規制は取引量に影響しないと楽観的に考えていたプレイヤーが非常に多かったためです。
このときは先走って「マイニングも違法として否定されるのではないか」という発言も飛び出し、多くの中国資本が仮想通貨業界から姿を消したといわれています。
また、2018年3月6日には中国国内の最大のメッセージアプリである「WeChat」での仮想通貨取引を禁止にするというプレスリリースがあり、多くのプレイヤーを震撼させました。
もともと先述した2017年9月の規制により、中国国内での取引は禁止されていましたが、中国国民はSNSを利用してオフショア取引という法の抜け穴のような取引を続けていたのです。
こうした市民の市場に対しても中国政府は積極的な規制を行うことになります。
中国国民は仮想通貨取引どころか、そもそも仮想通貨に触れることも難しくなってきているといえるでしょう。
仮想通貨取引所口座の凍結?今回の規制の動き
今回の規制では、国内の投資家が海外での取引を可能にするプラットフォーム自体を標的にしているといわれています。
なんと、仮想通貨取引の疑いのある中国の銀行のオンライン決済口座を調べるというのです。
結果として、仮想通貨取引をしているとみなされた場合は口座の凍結もあり得るというもの。
ここまで強圧的な手段に出られてしまうと、プレイヤーとしては仮想通貨取引を続けること自体が完全にデメリットとなってしまうでしょう。
中国政府がここまで仮想通貨に対して強圧的な理由とは?
では、いったいなぜここまで中国政府は仮想通貨に対して強圧的な手段に出るのでしょうか。
「現在の投機的な環境は全く歓迎できない」と中国人民銀行の総書記である周小川氏は語ります。
周氏としては仮想通貨やブロックチェーン技術が将来的に目指している「高速で低コストの小売り決済システムや銀行間送金技術」については一定の理解を示したうえでこのような発言を行っているのです。
「我々は、分散型ブロックチェーンおよび課金技術の応用について非常に懸念しています。
Bitcoinやその他の仮想通貨は、導入が早すぎており慎重さに欠けるため、急速に拡大すると消費者に悪影響を与える可能性があります。
それと同時に財政の安定性と金融政策の伝達に、予測できない影響を与える可能性があります。
私たちが主張しているのは、新しいことを学ぶことは良いことですが、市場力に加えて、政策の抜け穴を見つけたり、爆発的な出来事を生み出さないように、全体的な状況を考慮する必要があるということです。」
ここからわかることは、中国政府は仮想通貨が持っている、現在の銀行システムに対する破壊的なイノベーションを起こす力と、そのイノベーションに対する国民や国内経済の混乱を危惧していることです。
また同時に詐欺やマネーロンダリングの問題もあります。
現状として仮想通貨における取引環境に全く満足していないといえるかもしれません。
また他にも中国国内からこれ以上仮想通貨を利用した資金流出を防ぎたいといったことや、中国内陸部の混乱に仮想通貨によって生まれた富が流入することでこの混乱に拍車がかかることを恐れているといった意見もあります。
はたして、中国政府の真意はどこにあるのでしょうか。
本当は中国政府が仮想通貨を作りたい??
中国政府の真意は様々に予想されていますが、その中でも面白いのは、「中国は中国政府自体が理想的な取引環境を整備した仮想通貨を開発したいのではないか」という説です。
これは、仮想通貨の発展性自体は中国政府も理解を示していることから生まれた説といえるでしょう。
中国国内には14億以上の人がいます。これは日本の10倍以上、アメリカの5倍以上です。
中国国内の市場だけでもアメリカや日本・EUなどの先進諸国を合わせただけの市場が広がっているともいえるでしょう。
そのため、今流通しているビットコインやイーサリアムなどの主要な仮想通貨に頼ることなく、中国政府が独自の正当な仮想通貨を生み出すだけでも十分にビットコインやイーサリアムに対抗できると考えているのではないか?というのです。
思えば、中国は資本主義国ではなく、同様に政治決断システムも一党独裁。
仮想通貨の非中央集権的な管理体制というもの自体がそもそも受け入れられないのかもしれません。
結果として、中央集権的な仮想通貨を生み出し中国国内だけで運用できるような開発を行っていく。
あり得ないことではありません。
実際、中国ではGoogleやYoutubeは基本的にはアクセスできず、代わりに百度(バイドゥ)や优酷(ヨウク)といった中国向けのサービスが生まれています。
こうした状況を仮想通貨でも作りたいと考えることは、中国政府としては自然といえるでしょう。
「現在の仮想通貨は否定するが、自国開発の仮想通貨は肯定したい。」
2018年の中国はもしかしたら、誰もが想像できなかったような発表をするかもしれませんよ。
それが仮想通貨市場拡大と技術の発展の妨げになりかねないところが怖いですが。。
それでは本日も記事をお読みいただきありがとうございました。
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