海外の仮想通貨取引所としては、手数料が少ないこと、
そして扱っている仮想通貨の数が多いことなどから、
日本でも登録者の非常に多いバイナンス(Binance)ですが、
先日ハッキング事件が発生か?とTwitterなどのSNSで騒がれていました。
いったい何が起こったのでしょうか?
目次
バイナンスの特徴についておさらい
バイナンスとは中国に所在地を置く仮想通貨取引所です。
手数料が非常に安く扱っている仮想通貨の数も100以上ととても多く、
日本の仮想通貨取引所だけを使っている人にとっては面食らうかもしれません。
12月に取引高世界一になったため、全世界から注目されている取引所といえます。
日本人にとっては、日本語にも対応してくれている海外取引所として注目されていました。
現在は、アップデートの最中なのか、日本語表記話されていません。
(専用のGoogle翻訳を導入済み)
前の対応していた時でも、誤字があったり文法に間違いがあったりと少し不安を覚えましたので、ぜひ出来るだけ早く、そしてより正確な日本語対応を期待しましょう。
今回の事件はハッキングではなくてフィッシング
さて、全世界で有名なバイナンスですが、2018年3月にハッキング疑惑が浮上してしまいました。
2018年に入ってからも取引所の不安定な状況や日本では金融庁の動きなどもあり、仮想通貨そのものの信用性は揺らいでいないのに、取引所のおかげで仮想通貨自体に疑惑の目が広まっていると不満を持っている人も多いかもしれませんね。
しかし、いろいろ調べていくと、今回の事件はバイナンスがハッキングを受けたのではなく、バイナンスに非常に似たサイトを使ってプレイヤーのメールアドレスやパスワードを抜き取って不正に取引を行おうとした人たちがいたようです。
このように似たサイトを作って利用者の大事な情報を不正に入手しようという手法をフィッシングと呼びます。
事の発端は、3月7~8日にTwitterなどでバイナンスの取引画面に不思議なことが起こったという利用者のうわさがきっかけでした。
バイナンスのアルトコインのほとんどに売り注文(チャート分析の用語で下ヒゲ)が同じぐらいの分量発生したことにプレイヤーが気が付いたのです。
基本的に売りと買いが出る仮想通貨取引では、売り注文が発生することはよくあることですが、全ての仮想通貨に同じぐらいの分量だけ発生するというのは非常に妙なことです。
少なくとも自然に発生するとは考えにくいでしょう。
しかも、このタイミングで、VIAコインと呼ばれる、バイナンスで注目されていた仮想通貨に非常に大きな買い注文が入っていたのです。
実はこの、ある一つの仮想通貨に大きな買い注文が入り、他の仮想通貨すべてに売り注文が出ているという状況は、日本のZaifでもありました。2018年1月に発生したZaifのAPIキー不正使用出金です。
バイナンスはこの問題に気が付くとすぐに全通貨の出金を停止しました。
非常に早い対応に多くのプレイヤーが驚いたほどです。
バイナンスの対応と、フィッシングを仕掛けた犯人がハマった落とし穴
バイナンスの公式アナウンスによると、日本時間の3月7日23時58分から2分間で、
VIA/BTCの市場で異常な取引が発生したようです。
これに伴ってバイナンスは一時的にすべての出金を止めるという対応を行ったところ、VIA/BTC市場で非常に多くの取引が制約していましたが、結局犯人グループによるBTCの出金は失敗した模様。
犯人グループは逆に大きな損失を発生させる結果となったのです。
その後、バイナンスはセキュリティチェックを行い、引き出し再開となりました。
ただし、今回の騒動で犯人グループのフィッシングサイトから流出したメールアドレスやパスワードを利用した出金とみられる取引は確認できましたが、これらについてはバイナンスは責任が取れない取引となっています。
残念ながら、フィッシングサイトに引っかかってしまった人の補填などは行われないようですが、
それでもバイナンスの迅速な対応に驚きの声が上がっているのです。
また、フィッシングを仕掛けた犯人たちの資金の多くは、Binance Charityと呼ばれる、
バイナンスが運営に携わっている慈善団体の活動資金として利用されるそうです。
こうしたやり方もやり手な感じがして非常に面白いのではないでしょうか。
かなり心地いい対応であるのは間違いありませんね。
まとめ
今回の騒動でバイナンスがハッキング被害にあったからセキュリティ面が心配だと勘違いしている方がいますが、バイナンス自体が何か問題があったのではなく、
フィッシングサイトを作った犯人グループたちの行動によって起こされたものでした。
バイナンスのセキュリティや運営側に何か問題があったものではありません。
むしろバイナンスの行動は非常に迅速であり、
信頼できる人たちによって運営されていることが証明されたのではないでしょうか。
2018年に入ってから、取引所関係の嫌な事件やうわさが続く中で、
バイナンスは安心できると確認できた事件でもあったのです。
更にバイナンスは現在事件の犯人を逮捕につながる情報を提供してくれた人に対して
25万ドル(約2673万円)相当の報奨金を支払うと発表しました。
今後の仮想通貨市場のためにも積極的に犯人逮捕のための防御策を講じる姿勢を示しています。
また、Binance(バイナンス)は将来のハッキングに備えて1000万ドル相当の報奨金を準備しているとも発表しており、そのほかの仮想通貨業者にも策を講じるよう呼びかけています。
トラブルの素早い対応、顧客への配慮、犯人確保のための懸賞金など、
結果的に今回の事件の対応からBINANCEの評価は大きく上がったと思います。
取引所に置いている資産が100%安全だと思ってはいけませんので自分で管理するべきなのは大前提ですが、
それを抜きにしてセキュリティ面でもバイナンスは信頼できる仮想通貨取引所です。
取り扱い通貨も多いのでまだ口座開設していない方は是非使ってみてください。
それでは本日も記事をお読みいただきありがとうございました。
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