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会計基準が変わる?ASBJの新会計基準導入について


2017年の確定申告が終わりました。

仮想通貨で利益を上げた人にとっては、「いったいどれだけ税金払えばいいの?汗」

とすごく不安になった瞬間ではないでしょうか。

中には今年に入ってからの暴落で利益を失い納税できなくなる方も。。。

 

そして現実問題、仮想通貨の利益の項目としては「雑収入」なので総合課税となります。

総合課税となると、その税率は約50%を超える場合もありびっくりした人も多いでしょう。

こうした混乱は企業会計にも影響を与えてきました。

 

今回はこの企業会計の原則について、企業会計基準委員会ASBJが会計ルールを変更するというプレスリリースを発表したということに注目してみます。

これは大きな変化であり、企業会計のルールが抜本的に変わるかもしれません。

目次

ASBJの発表について

今まで、仮想通貨については原則「簿価」評価をして損益計算をしてきました。

このため、仮想通貨の価格変動を織り込めない会計システムだったといえるでしょう。

しかし今回、従来の簿価評価から「時価」評価を導入するという発表が行われました。

詳しく内容を見ていくと、

  1. 最も頻繁に利用する取引所のレートで貸借対照表に計上
  2. 期末に時価で再評価
  3. 再評価後の差額は損益で計上

という手順を踏んでいきます。

この手順は取引だけではなくマイニングにも適用されるとのこと。

こうした新しい会計基準は来年の3月ごろから順次適用されていくとされているため、2017年の会計には影響を与えませんが、2018年にはあっと驚くような企業が仮想通貨へ参入してくることもあり得るでしょう。

損益と時価評価と

先ほどの発表について、損益と時価評価についてもう少し詳しく解説していきましょう。

利益とは

まず、「損益とは何でしょうか」

これは単純のようで非常に難しい問いだと思います。

 

例えば100万円の品物を売ったら利益が100万円。

果たして本当にそういえますか?

もし原価が120万円だったら、この商品を100万円で売ってしまえば損失が20万円出ていることになります。

そうです、損益を計算するためには、「何をどれだけ売ったり買ったりしてお金が動いたか期限を定めてすべて記録しておく必要がある」といえるでしょう。

 

期限も非常に重要です。

例えば去年の1月に作った100万円の品物を今年の1月に100万円で売ったとします。

すると、去年の段階では-100万円でしたが、今年には+100万円になったといえるでしょう。

トータルでは±0なのですが、去年の会計には-100万円、今年の会計には+100万円と書き込む必要があります。

このように損益とは、記録と期限によって大きく左右されるのです。

時価評価と簿価評価

また時価評価と簿価評価についても見ていきましょう。

時価評価とは
会社の持つ一部金融資産を期末の時点の価格で評価する会計手法。
簿価評価とは
購入した際に資産や会社のお金がどう動いたかによって評価する会計手法。

つまり、簡単に言ってしまえば、

例えば1ビットコイン=100万円で100ビットコイン購入し、

そのビットコインが期末で1ビットコイン=150万円となっているとしましょう。

このとき、

もし企業が利益確定を行っていない場合はどうなるでしょうか。

時価評価であれば150万円×100ビットコイン=1億5,000万円ということになりますが、

簿価評価であれば100万円×100ビットコイン=1億円ということになります。

一方、ビットコインが下落して100万円から80万円なってしまった場合はどうか。

この場合、時価評価であれば80万円×100ビットコイン=8,000万円ですが簿価評価だと変わりません。

結果として、簿価評価では仮想通貨の評価額が上がっていればいいですが、下がっている場合は目も当てられないことがわかると思います。

つまり、企業視点では失敗したときのリスクが跳ね上がっているため、このリスクで仮想通貨事業に乗り出せない企業があったのでしょう。

マイニングに関するやり取りでも同じことが起こっています。

ICOのルールはどうなるか

仮想通貨の会計ルールの変更となりましたが、一方でICOの環境整備については遅れています。

今回のルール改定の際もICOについては言及がありませんでした。

ICOは金融庁が否定的であることもあり、日本ではなかなか進んでいかないというの現状でしょう。

 

確かにICO周りには詐欺やダークマネーという問題も潜んでいます。

しかし、まだ注目されていない技術やビジネスプランが日の目を浴びるチャンス。

こうした仕組みをしっかりと整えていくことによって仮想通貨だけでなく、他の産業も発展の可能性が出てきます。

ぜひ、前向きに取り組んでほしいと考えている人も多いのではないでしょうか。

まとめ

今回のルール改定が、企業にどれほどインパクトのあることかわかっていただけたと思います。

企業会計ルールとは、少し変わっただけでも税金的な問題も含めて企業の行動を大きく変えることがあるのです。

ぜひ、こうした仮想通貨周りの規制や制度の動きにも注目してみてください。

それでは本日も記事をお読みいただきありがとうございました。

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