仮想通貨といえばブロックチェーンとマイニングを思い浮かべると思いますが、
実はブロックチェーンを用いず、またマイニングを行わずにトランザクションの承認のみで発行することが出来る仮想通貨があります。
今回はそんな新時代な仮想通貨のうち、
とある事件から日本でも知名度が上昇し話題を呼ぶ事になった
「NANO(ナノ)」について解説していきたいと思います。
目次
ナノ(Nano /NANO)とライブロックス(RaiBlocks/XRB)
ナノは、もともとはRaiBlocks(ライブロックス)という仮想通貨がリブランディングされて生み出された仮想通貨です。
ライブロックスの名前の由来は「Rai Stone」で、ヤップ島という場所にある穴の開いた岩のことを指します。
昔の貨幣をイメージして頂ければ岩の形がなんとなく分かることでしょう。
2016年2月29日にICOが行われましたが、
その後リメイクされて2018年1月に仮想通貨「ナノ」が誕生しました。
ナノのロゴである「N」は、「ノード(ネットワーク)」を意味します。
通貨単位はNANOで、最大供給量は133,248,290XRBです。
ブロックとチェーンのないブロックチェーン「DAG」とは?
ナノの最大の特徴は送金手数料が無料で、しかもスピードが速いというところにあります。
ナノの送金スキルが高い秘密は「DAG」という技術に隠されています。
「DAG」は、日本語で「有効比巡回グラフ」と呼ばれており、
また「ブロックチェーンに取って替わるかもしれない技術」とも言われています。
DAGとブロックチェーンの違いは?
ブロックチェーンの場合、ブロックを形成して承認を得る際に、必ず前と後ろにも1つのブロックが必要です。
そのため、ブロック形成時間や処理スピードに制約が否が応でも出てきます。
これにより、ビットコインであれば送金時間が1時間以上かかってしまう場合があります。
しかし「DAG」では、ブロックチェーンと同様に前と後ろという向きはあるものの、そもそもブロックがなくトランザクション個々でつながっており、その数は2つでも3つでも同時につながることが出来ます。
つまり、ブロックチェーンだと1つずつしか処理できなかったのに対し、「DAG」であれば同時に2つ以上処理できるという事です。
これが、「DAG」が「ブロックとチェーンのないブロックチェーン」と言われる理由です。
以上のような特徴を持つ「DAG」をナノも採用しているため、
ブロックチェーンを採用しているビットコインなどと比べて圧倒的に送金スピードは速くなっています。
また「DAG」にはマイニングという作業がありません。
トランザクションがそれぞれ独立しており、個人のユーザーにより承認を受けるだけなので、ブロックチェーンと比べて簡単なものになっています。
これはつまり、マイナーが有利になる=莫大な資金をかけて仮想通貨をマイニングする者のみ承認率が上がるという、不公平さがないことを意味します。
チャートから見るナノ(Nano )の価格推移
下図はナノ/NANO(元ライブロックス)のチャートです。
上場時は1XRB=3.67円で、その後1年半は緩やかに上昇して20円台となりました。
2017年末~2018年にかけて急上昇し、1XRB=3781.67円まで上昇しました。
その後は下落し、ナノにリブランディングされた1月31日の終値は1NANO=1759.46円となりました。
1月~3月は年末年始に上がり過ぎた仮想通貨市場全体が下落相場となったので適正な価格まで戻してきています。
2018年2月11日、ナノ大量流出事件が発生
2018年2月11日に、イタリアのフィレンツェにある取引所「Bitgrail」にて大量のナノがハッキングにより流出するという事件が発生しました。
地元の警察も操作を行った大事件で、流出したナノは総額211億円にもなると言われています。
総発行数のナノのうち13%にあたります。
「Bitgrail」の創業者でありCEOであるFirano氏は「全額補償はできないが、解決に向けて懸命に働いています」とツイッターで報告しました。
この事件をキッカケに仮想通貨ナノ(NANO)の存在を知った方も多いのではないでしょうか?
ただ、2月11日の値動きを見ると、そこまで大きな下落は見せませんでした。
コインチェックと同様に、今回の流出の原因は取引所側にあるため、仮想通貨自体の信用にはあまり影響はなかったようです。
NEMがハッキング後に価格を大きく下げ、その後コインチェックの補償が行われた直後価格を戻してきたように、仮想通貨自体への期待値が高ければ下落は単なる一時的なものであって、
知名度が大きくなった分好材料に大きく反応して高騰を見せることが期待できるでしょう。
旧RaiBlocks時代にバイナンス投票1位の実績あり
ナノがまだライブロックスだったころに行われた「第5回Binance投票」にて、
ライブロックスは人気の仮想通貨第1位に選ばれました。
Binance投票は2017年9月から毎月1回行われている人気投票で、順位の高い仮想通貨はBinanceにてICOを行うことが出来ます。その後、ナノは2月2日にBinanceへ上場を果たしました。
ちなみに、ナノのチャートも1月5日から下降相場に入っていますが、ちょうど「第5回Binance投票」の結果発表が1月5日だったので「BinanceへのICOが決まったため、折り込み済みで買い付けをしていた投資家が利益確定のために売り注文が大量に出たのでは?」と言われているそうです。
BinanceにICOをする可能性のある仮想通貨には注目したほうがいいかもしませんね。
ナノ(Nano)の将来性について今後も目が離せない
※上記は今現在の価格がリアルタイムで反映されています。
流出事件やBinance投票1位など、2018年始まって早々に仮想通貨界隈を沸かせたナノですが、「DAG」という新しい技術を使っている数少ない仮想通貨であるため、今後は技術面でも注目を集めそうです。
時価総額も20位以内を常にキープしており、メジャーな仮想通貨の1つといってもいいでしょう。
今後もそのニュースからは目が離せなさそうです。
ナノ(Nano/NANO)を購入出来るおすすめ取引所はバイナンス
バイナンスは日本語対応(専用Google翻訳)をしており、日本の取引所と違って速攻口座開設して利用出来ます。
それでは本日も記事をお読みいただきありがとうございました。
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